秘密証書遺言とは?内容を知られることはない?簡単に解説します


こんにちは!新潟県長岡市の行政書士事務所、行政書士岸そうま事務所です。

前回、前々回と遺言書の種類について解説してきましたが、今回は秘密証書遺言編です。

実は自筆証書遺言や公正証書遺言よりも圧倒的に年間件数が少ないのがこの秘密証書遺言。

この記事ではそんな秘密証書遺言の特徴、メリットとデメリットを簡単に解説します!

遺言書の作成や終活について興味がある方は、ぜひご覧ください。

秘密証書遺言の特徴、メリットとデメリット

それでは、秘密証書遺言の特徴、メリットとデメリットについて解説します。

秘密証書遺言のメリットは以下の通りです。

  • 遺言の内容を知られない
  • 手書き以外の方法も可能

また、デメリットは以下の通りです。

  • 遺言が無効になるおそれがある
  • 紛失する可能性も
  • 検認手続きが必要

順番に解説します!

メリット

  • 遺言の内容を知られない
  • 手書き以外の方法も可能

遺言の内容を知られない

まず、秘密証書遺言の最大の特徴ともいえるのが、遺言の内容を知られないことです。

「秘密」と名前に入っている通り、秘密証書遺言は遺言の内容を誰にも知られずに作成することができます。

秘密証書遺言は、遺言書を作成した後、それを封筒に入れ、公証人に提出する方法で作成します。

その後、遺言書が自分のものであることや、氏名、住所を公証人に伝えると、公証人がその旨を封紙に記載します。

最後に、遺言者、公証人、2名以上の証人が署名押印をし、遺言が完成します。

一連の流れの中で、公証人や証人が遺言書の中身を確認することはありません。

すなわち、誰にも遺言の内容を知られずに遺言書を残すことができるといえます。

手書き以外の方法も可能

また、秘密証書遺言は手書き以外の方法で作成しても問題ありません。

加齢により手がうまく動かせなくなった方や、怪我をした方でも遺言を残せるという点が、秘密証書遺言の1つのメリットといえるでしょう。

デメリット

  • 遺言が無効になるおそれがある
  • 紛失する可能性も
  • 検認手続きが必要

遺言が無効になるおそれがある

秘密証書遺言は、作成時に誰にも遺言を確認されないがゆえに、遺言が無効になるリスクも秘めています。

たとえば、公正証書遺言では公証人の確認のもとで遺言書が作成されるため、方式不備があったり遺言内容が無効になったりすることもないといえます。

秘密証書遺言も公証人と証人が関わりますが、あくまで遺言の存在を確認するだけ。

つまり、方式不備や遺言の内容は確認されないということになります。

秘密証書遺言の最大のメリットが誰にも内容を知られないということですので、この点についてはメリットとデメリットが表裏一体になってしまいます。

紛失する可能性も

また、秘密証書遺言は遺言者自身で保管する必要があるため、紛失するおそれがあります。

自筆証書遺言のような保管制度も用意されていません。

検認手続きが必要

さらに、相続開始後には検認手続きが必要なため、相続人に負担をかける可能性があります。

検認は家庭裁判所に届け出ることで行われるため、スムーズに相続が進まないおそれもあります。

こんな人におすすめ

秘密証書遺言がおすすめな人は、誰にも遺言の内容を知られたくない人です。

誰にも遺言の内容を知られたくない人

秘密証書遺言の最大のメリットは遺言の内容を誰にも知られないことです。

相続人に残す言葉や遺産分割についてなど、センシティブな部分も多くあるのが遺言。

メリットとデメリットを比較したうえで、それでも誰にも知られたくないと考える場合には、秘密証書遺言の作成を検討するとよいでしょう。

参考:2 遺言 日本公証人連合会
   秘密証書遺言とはなんですか? 茨城司法書士会

まとめ

いかがでしたか?

今回は、秘密証書遺言の特徴、メリットとデメリットについて簡単に解説しました。

秘密証書遺言の作成件数は年間約100件ほどと、とても少ないです。

しかし、選択肢の一つとして考慮しておくだけでも、遺言書作成の道が広がるといえます。

ここまでお読みいただきありがとうございました!

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