「追加の工事が発生したけど、なにかやっておかなきゃいけないことはある?」
「契約変更は工事が終わった後でもいいの?」
このようにお悩みの方はいないでしょうか。
建設工事の現場では、しばしば追加の工事が発生します。
追加工事が発生したとき、元の契約内容のまま追加工事を進めることはおすすめできません。
そこで今回は、追加工事が発生したときの契約変更について簡単に解説します!
追加工事が発生したときの対処法について知っておきたい方は、ぜひご覧ください。
追加工事を着工する前に契約変更する
追加工事が発生した時は、追加工事の着工前に書面による契約変更をしておくことが望ましいです。
建設業法では、建設工事の請負契約を、着工前に書面で行うことと定められています。
建設工事の契約で注意することについてはコチラの記事をご覧ください。
追加工事の場合でも、着工前に書面で契約を交わすという原則は変わりません。
口頭で変更を行ってしまうと、そもそも変更契約があったのか、どのような変更契約だったかなど、後々になって不明瞭な点が多く出てきてしまいます。
言った言わないの紛争になってしまうことを未然に防ぐため、書面での契約変更が定められているのです。
請負契約の当事者は、請負契約の内容で前項に掲げる事項に該当するものを変更するときは、その変更の内容を書面に記載し、署名又は記名押印をして相互に交付しなければならない。
建設業法第19条第2項
また、元請業者と下請業者が追加工事に関して円滑なコミュニケーションを図れるよう、当初の契約において、工期の変更、請負代金の額の変更又は損害の負担及びそれらの額の算定方法に関する定めについて具体的に定めておくことが望ましいとされています。
追加工事の内容がすぐに確定しないときはどうする?
「そうはいっても、着工前に追加工事の内容が全部わかるわけじゃないし…」
「追加工事が発生するたびに契約変更なんてしてられないよ!」
このように思った方もおられるでしょう。
追加工事の内容が着工前に確定せず、追加工事の依頼に対して、その都度追加・変更契約を締結することが不合理な場合は、元請業者は書面を下請業者と取り交わすことになっています。
書面に記載する内容は、以下の通りです。
- 下請負人に追加工事等として施工を依頼する工事の具体的な作業内容
- 当該追加工事等が契約変更の対象となること及び契約変更等を行う時期
- 追加工事等に係る契約単価の額
書面を交わしておけば、契約変更をする必要がないというわけではないことに注意しましょう。
書面を交わした後、追加工事の内容が確定し次第、遅滞なく契約変更を行うこととされています。
契約変更をしないと建設業法違反になる!?
契約変更をすべき状況にもかかわらず、元請業者が契約変更に対応しない場合は、建設業法違反に該当するおそれがあります。
以下に、具体的なケースを紹介します。
元請業者が合理的な理由なく契約変更を行わない場合
追加工事が発生している状況にもかかわらず、元請業者が合理的な理由なく下請業者からの契約変更の依頼に応じない場合は、建設業法違反になります。
たとえば、発注者と変更契約を締結していないから下請業者の変更契約にも応じないという理由は、合理的な理由ではありません。
元請業者は、契約変更の際には、建設業法に違反しないよう十分注意する必要があります。
追加工事の費用を下請業者に負担させた場合
追加工事の代金を下請業者に負担させたことで、請負代金の額が、工事を施工するために一般的に必要と認められる価格を下回る場合には、建設業法第19条の3の不当に低い請負代金の禁止に違反するおそれがあります。
ただちに建設業法違反になるわけではありませんが、元請下請間の取引依存度などによっては違反と判断される場合がありますので、注意しましょう。
注文者は、自己の取引上の地位を不当に利用して、その注文した建設工事を施工するために通常必要と認められる原価に満たない金額を請負代金の額とする請負契約を締結してはならない。
建設業法第19条の3
参考:建設業法令遵守ガイドライン 国土交通省不動産・建設経済局建設業課
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、追加工事が発生したときの契約変更について簡単に解説しました。
契約変更は、地味ながらもさまざまなルールで規定されています。
適切な手順を踏んで契約変更をし、業界の適正化に努めたいですね。
ここまでお読みいただきありがとうございました!
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