特別管理産業廃棄物とは？簡単に解説します

産業廃棄物関連の仕事に就いている方であれば、「特別管理産業廃棄物」の文字を見たことがある方もいるでしょう。

特別管理産業廃棄物とは、読んで字のごとく、通常の産業廃棄物よりも厳しい規制のうえで、特別に管理しなければならない廃棄物のことです。指定されているのは、爆発性、毒性などを有する危険な廃棄物であることが多いです。

また、特別管理産業廃棄物を扱うには、特別管理産業廃棄物管理責任者を選任しなければなりません。この責任者は、法律で定められた資格を取得していなければなりません。

今回は、そんな特別管理産業廃棄物について、基本的な部分を簡単に解説します！

特別管理産業廃棄物とは？

冒頭でもすこし触れましたが、特別管理産業廃棄物はいわば「危険な産業廃棄物」です。通常の産業廃棄物よりも、爆発しやすかったり、毒性が強かったりするものは扱いに気を付ける必要があります。それを、廃棄物処理法という法律で「特別管理産業廃棄物」と名付けたのです。

廃棄物処理法において、特別管理産業廃棄物は以下のように説明されています。

この法律において「特別管理産業廃棄物」とは、産業廃棄物のうち、爆発性、毒性、感染性その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有するものとして政令で定めるものをいう。
廃棄物の処理及び清掃に関する法律第二条第五項

それでは、特別管理産業廃棄物にはどのようなものが含まれるのでしょうか。

たとえば、このような例が廃棄物処理法の施行令に挙げられています。

廃酸（著しい腐食性を有するものとして環境省令で定める基準に適合するものに限る。）
廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令第二条の四第二号

通常、廃酸は業種を問わない産業廃棄物として分類されています。

産業廃棄物と一般廃棄物の違い、分類についてはこちらの記事をご覧ください。

産業廃棄物と一般廃棄物の違いとは？

廃酸は産業廃棄物ですが、そのなかでも特に強酸性のものが特別管理産業廃棄物として扱われます。

具体的な数値でいうと、ph2.0以下の廃酸が特別管理産業廃棄物になります。すべての廃酸が特別管理産業廃棄物として扱われるわけではないことに注意しましょう。

このように、産業廃棄物のなかで一定の判定基準に達し、さらに特別管理産業廃棄物として法定されているものが特別管理産業廃棄物になります。

この分類方法とは別に、感染性産業廃棄物も特別管理産業廃棄物に分類されます。

感染性産業廃棄物とは、おもに医療機関から排出される産業廃棄物のことです。

医療機関では特性上、ウイルスや病原体が付着した廃棄物が排出されます。この廃棄物によって、さらなる感染が発生するのは避けなければなりません。そのために法律では、医療機関等から排出される産業廃棄物を感染性産業廃棄物と定義し、特別な規制を課しているのです。

そして、この感染性産業廃棄物は、特別管理産業廃棄物として分類されているのです。ですので、通常の産業廃棄物よりも、慎重に処理・収集運搬する必要があります。

最後の分類として、特定有害産業廃棄物があります。

特定有害産業廃棄物は、PCB処理物や廃水銀など、産業廃棄物のなかでも特に有害なものをいいます。特別管理産業廃棄物を「危険な産業廃棄物」と紹介しました。これにならうなら、特定有害産業廃棄物は「超危険な産業廃棄物」です。ですのでもちろん、特別管理産業廃棄物として分類されています。

特別管理産業廃棄物を排出する施設をもつ事業者は、廃棄物処理法に基づいて特別管理産業廃棄物管理責任者を選任する必要があります。

そして、だれでも責任者になれるわけではなく、資格取得者のみが特別管理産業廃棄物管理責任者になることができます。

ですので、産業廃棄物を扱っている事業者の方で、特別管理産業廃棄物も扱いたい場合は、まずはじめに特別管理産業廃棄物管理責任者として誰を選ぶか？ということを考える必要があります。

ちなみに、資格がない方でも、公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター（JWセンター）の講習会を受講することで、特別管理産業廃棄物管理責任者になることができます。詳しくはホームページをご覧ください。

公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター（JWセンター）ホームページはこちら→https://www.jwnet.or.jp/index.html

今回は特別管理産業廃棄物と特別管理産業廃棄物管理責任者について簡単に解説しました。

特別管理産業廃棄物かどうかの判断は、基準だけを参照するのではなく、総合的に考える必要があります。

判断に迷ったら、躊躇なく行政に相談しましょう。

ここまでお読みいただきありがとうございました！

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