「建設業許可を取得したけど、他にやっておくことはある?」
「経営事項審査を受けた方がいいって聞いたけど、本当に必要なの?」
このようなお悩みをお持ちの方もいるのではないでしょうか。
公共工事の受注を考える際に避けては通れないのが、経営事項審査。
制度の名前は知っていても、詳細についてご存じの方は多くないのではないでしょうか。
そこで今回は、経営事項審査制度の概要について簡単に解説します。
経営事項審査制度の利用を考えている方は、ぜひご覧ください。
経営事項審査とは
経営事項審査(経審)とは、公共工事を発注者から直接請け負おうとする建設業者が必ず受けなければならない審査のことです。
公共工事は、民間の工事と異なり、誰でも受注できるわけではありません。
公共工事で建設される建物や道路は、毎日多くの人々が利用します。
そのため、客観的な視点から建設業者を評価する必要があります。
経審を受ける際のポイントとして、下請業者として公共工事を施工する場合には経審を受ける必要がないことが挙げられます。
経審を受ける必要があるのは、あくまで発注者から直接請け負おうとする建設業者、すなわち元請業者だけです。
経営事項審査については、建設業法と建設業法施行令にも記載があります。
公共性のある施設又は工作物に関する建設工事で政令で定めるものを発注者から直接請け負おうとする建設業者は、国土交通省令で定めるところにより、その経営に関する客観的事項について審査を受けなければならない。
建設業法第二十七条の二十三第一項
法第二十七条の二十三第一項の政令で定める建設工事は、国、地方公共団体、法人税法(昭和四十年法律第三十四号)別表第一に掲げる公共法人(地方公共団体を除く。)又はこれらに準ずるものとして国土交通省令で定める法人が発注者であり、かつ、工事一件の請負代金の額が五百万円(当該建設工事が建築一式工事である場合にあつては、千五百万円)以上のものであつて、次に掲げる建設工事以外のものとする。
建設業法施行令第四十二条第一項
施行令をご覧になって気づいた方もいるかもしれませんが、請負金額が500万円(建築一式工事の場合は1,500万円)未満の場合は、公共工事であっても経審を受ける必要がありません。
請負金額については、しっかりと確認しておきましょう。
参考:経営事項審査について 国土交通省関東地方整備局
許可・経審制度の概要 一般財団法人建設業情報管理センター
経営事項審査だけでは公共工事は受注できない
実は、経審を受けただけでは公共工事の入札に参加することはできません。
公共工事の入札に参加するには、もう1ステップ、入札参加申請という申請を行う必要があります。
入札参加申請をすると、発注者である国や地方公共団体が、申請者の建設業者に対して入札参加資格審査を行います。
入札参加資格審査は、簡単にいえば「公共工事に適した建設業者か?」を判断する審査です。
経審の客観的評価と、国や地方公共団体という発注者の目線からの評価を足した点数が、入札参加資格審査をする際の総合点数になります。
総合点数が高いほど、大規模な工事やプロジェクトに携われる可能性が高くなります。
公共工事の受注を見据えるなら、経営状況や財務状況の改善は不可欠であるといえるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は経営事項審査について簡単に解説しました。
大規模な公共工事の受注は事業をスケールさせていくことにも繋がるため、経営事項審査制度を活用していくことをおすすめします。
ここまでお読みいただきありがとうございました!
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